アンドレ・ザ・ジャイアント(でかい木こり)

サイズ:
41 × 40 × 15 mm
提出先:
「紙のプロレス」より

プロレスラーの「出身」をたずねて

スポーツ選手のプロフィールになぜか不可欠となっているのが「出身」という項目である。たとえばプロ野球選手なら、それは「出身校」のことである。先のオープン戦などがそうだった前年度の成績とともに憶があるが、紹介されるのは、身長でも体重でもなく出身校のタイムである。遠投距離や100m走の参考になるのであろう。しかし出身校が明記されるのが「出身地」である。一方、大相撲に代表されるのが「出身地」である。本場所の館内放送でもいちいち言う。「○○県出身、○○部屋」は、聞き慣れたフレーズである。あと、これに類することができ以前から気になっていたのは、マラソンの選手名のあとにカッコづきで国名をあげるが、日本人ニア)(EUN)と並ぶなか、日本人選手だけでどうして(ニコニコド一)となるのか。並列の規則を無視しているるじゃないか。あとバスケットの日本リーグとかで、名前の次に何を置いても(208cm)とか、まぬけにでかい身長を表記するやつ。面白いからいいけど、何かへんである。

ま、ニコニコドーや208cmは置いておくとして、スポーツにおける「出身」は「学校」である場合と、「土地」である場合とに二分されるようである。と、ここでプロレスである。プロレスにおける「出身」は、「プロレスの前にやっていたスポーツ」を指すことは、もう皆さん御存知だろう。相撲出身、アマレス出身、柔道出身は、プロレス二大出身であある。プロ野球出身(G・馬場)、ラグビー出身(阿修羅・原)、サッカー出身(蝶野)、ボディビル出身(A・浜口)、剣道出身(藤原)と、少数派は多岐にわたる。藤原の剣道は役に立ってんのか立ってないのか、よくわからなくてシブい(のちにボディビルもやったらしいが)。最近は船木のように「出身なしにいきなりプロレス」というパターンもあるにせよ、とりあえずこの「出身スポーツ申告制度」は、これからも続く慣わしだろう。これは、プロレスにはアマチュアがないという当り前のところから発生している。そしてまた、プロレスは何かほかのスポーツをリタイアしてから始めることも可能であるという側面も見逃せない。輪島のことは放っといてほしいが、馬場だって風呂場で転倒してヒジがダメになってプロレスラーになった。それは「窮余の一策――プロレス入り」という「プロレスラー→プロレス」とは逆のスポーツ新聞的な思考の出どころなのかもしれない。それがプロレスの懐の深さってやつだろう。NBAのチャールズ・バークレー選手などは是非ともプロレス界に欲しい人材である。

話を元に戻すが、前田は空手出身、猪木は砲丸投げ出身というところにになっている。ここはひとつ、確かにウソではないだろうが、体裁など気にせず、「前田日明――ブラジルのコーヒー園労働出身」とした方が、街角のケンカ出身「A・猪木――プラジルのコーヒーコッ」良いと思う。その「へん外人レスラーはいい。何なんだよハルク・ホーガン、「ロックミュージシャン出身」て。でもホーガンだけに説得力あるのは。しかし一番すごいのはアシドレ・ザ・ジャイアントの「木こり出身」だろう。すばらしい出身、トレビアーンである。

(消しゴム版画、文とも)